「トマトの旬はいつ?」と聞かれたら、多くの方が夏と答えるのではないでしょうか。家庭菜園でも夏野菜の代表ですし、真っ赤なトマトには夏の太陽がよく似合います。
ところが、甘さが自慢のフルーツトマトに限っていえば、いちばんおいしいのは冬から春にかけて。寒い季節のほうが、トマトはじっくり甘くなるんです。
今回は、トマトを育てている農家の目線から、冬のトマトが甘くなる理由と、季節ごとのトマトの楽しみ方をお話しします。
トマトはもともと「暑さが苦手」な野菜
トマトのふるさとは、南米のアンデス山脈の高地です。昼は日差しが強く、空気は涼しくて乾いている、そんな土地で生まれた植物なので、湿気の多い梅雨や夜になっても気温が下がらない日本の夏は、実はあまり得意ではありません。
暑さが続くと、トマトは早く育つぶん、実の中に甘さをためこむ時間が短くなります。夏のトマトがみずみずしく、さっぱりした味わいになりやすいのはそのためです。
冬のトマトが甘くなるのは「ゆっくり育つ」から
一方、寒い時期のハウスでは、トマトは時間をかけて少しずつ実を太らせ、色づいていきます。花が咲いてから収穫までの日数が長くなるぶん、実の中にじっくりと糖分がたまっていきます。
フルーツトマトは、品種の名前ではありません。水やりをギリギリまで控えるなど、育て方を工夫して甘さを引き出したトマトの呼び名です。一般的なトマトの糖度が6度前後なのに対し、フルーツトマトは8度以上が目安とされています。
水を控えて育てるトマトにとって、気温が高い夏は難しい季節です。そのため、フルーツトマトが多く出回るのは、冬から春にかけてになります。
ちなみに、フルーツトマトのはじまりは、1970年代の高知県だといわれています。台風で畑に海水が入り、水を吸えなくなったトマトが、小ぶりで驚くほど甘く実った。そんな偶然から生まれた味なんです。
季節ごとに、トマトの楽しみ方を変えてみる
夏のトマトと冬のトマト、どちらが上ということはありません。
夏の露地トマトは、水分たっぷりで酸味もほどよく、冷やしてかぶりつくのにぴったり。冷製パスタやガスパチョのように、さっぱり食べたい料理にも向いています。
冬から春のフルーツトマトは、甘みと旨みがぎゅっと詰まっています。せっかくなら、まずは何もつけずにそのままで。サラダに使うなら、ドレッシングは軽めにして、トマトの味を主役にしてみてください。
まとめ:冬はトマトがいちばん甘くなる季節
トマトは夏のイメージが強い野菜ですが、甘さをじっくりためこむのは、実は寒い季節。冬から春にかけて、スーパーや直売所でフルーツトマトを見かけたら、季節の味としてぜひ手に取ってみてください。
私たちのハウスでも、朝晩が少しずつ涼しくなってきたなか、12月のお届けに向けてトリコがゆっくり色づき始めています。
来月には、今シーズン最初に収穫する「初採れ」トリコの予約受付を始める予定です。詳しくは、あらためてご案内します。


