スーパーの野菜売り場で見かける、「フルーツトマト」。普通のトマトより小ぶりなのに、値段は高め。でも、ひと口食べるとその甘さに驚かされます。
同じトマトなのに、なぜこんなに味が違うのでしょうか。今回は、フルーツトマトを育てている農家の目線から、その甘さの理由をお話しします。
フルーツトマトは「品種の名前」ではない
じつは、「フルーツトマト」という品種があるわけではありません。育て方を工夫して、特に甘く仕上げたトマトのことを、まとめてそう呼んでいます。
甘さの目安になるのが「糖度」です。一般的なトマトの糖度は6度前後。それに対して、フルーツトマトは8度以上がひとつの目安とされています。数字だけ見ると小さな差に思えますが、口に入れると、その違いははっきり分かります。
甘さの秘密は、「水を控える」こと
フルーツトマトづくりで大切なのは、水やりをぎりぎりまで控えることです。
水が足りない環境に置かれると、トマトは実の中に糖分や旨みのもとになるアミノ酸をため込もうとします。その分、実は大きくなりませんが、小さな一粒に甘みと旨みがぎゅっと詰まります。
つまり、フルーツトマトが小ぶりなのは、甘く育てた結果なんです。水をたっぷり吸って大きくなる普通のトマトとは、育ち方がそもそも違うのです。
ただ、水を控えすぎれば株が弱ってしまいます。どこまで絞るかの見極めが、フルーツトマトづくりのいちばん難しいところです。
トリコの場合:フィルム越しに、自分の力で水を吸う
私たちのトリコは、土を使わず、特殊なフィルムの上で育てる「アイメック農法」で育てています。
フィルムには目に見えないほど細かな穴があいていて、水分と養分だけを通します。トマトの根は、このフィルム越しに、自分の力で少しずつ水を吸い上げます。水を控える「量」を人の勘だけに頼らず、育て方の仕組みそのものでつくっている、というわけです。
さらにトリコは、もともと中玉トマトの品種を、あえて小さく絞り込んで育てています。収穫したトマトは、すべて糖度と酸度をチェックしてから出荷しています。
▶アイメック農法でトマトが育つ様子は、Instagramの動画でもご紹介しています
甘さは、季節によっても変わる
これから寒さが深まるにつれて、ハウスのトマトも少しずつ甘さを蓄えていきます。
まとめ:小さな一粒に、甘さが詰まっている理由
フルーツトマトが甘いのは、水を控えて、時間をかけて育てているから。小ぶりなのも、値段が少し高いのも、その手間の表れです。
次にフルーツトマトを食べるときは、まず何もつけずに、そのままひと口どうぞ。小さな一粒に詰まった甘さと旨みを、ぜひ味わってみてください。
今シーズン最初に収穫する「初採れ」トリコのご予約については、あらためてお知らせします。


