トマトといえば、真っ赤な色。でも、実がなったばかりのトマトは、じつは緑色をしています。
緑の実が、どうやってあの赤い色に変わっていくのでしょうか。今回は、毎日ハウスでトマトの色づきを見守っている私たちが、トマトが赤くなるしくみをお話しします。
はじめは緑。トマトの実は、葉っぱと同じ色から始まる
トマトの花が咲き、実がつきはじめたころ、その色は葉っぱと同じような緑色です。
この緑色のもとは、葉っぱにも含まれている「葉緑素(ようりょくそ)」という色素。実が小さいうちは、トマトも葉っぱと同じように、この緑の色素をたくさん持っています。
緑が抜けて、赤い色素が増えていく
実が大きく育ち、熟しはじめると、トマトの中で色の入れ替わりが始まります。
まず、緑の色素が少しずつ分解されて、緑色が抜けていきます。それと入れ替わるように増えていくのが、「リコピン」という赤い色素です。緑が抜けて、赤が増える。こうして、トマトは少しずつピンク色になり、やがて真っ赤に色づいていきます。
色が変わるのと同じころ、実はやわらかくなり、甘さや香りも増していきます。赤い色は、トマトが食べごろに近づいているサインでもあるんです。
ちなみに、黄色やオレンジのミニトマトも、はじめは緑色です。熟すと緑が抜けていくところまでは同じですが、品種の性質で赤い色素があまりつくられず、かわりに黄色やオレンジの色素が目立つため、あの色になるんです。
色づきのスイッチを入れるのは、トマト自身
では、トマトはいつ「赤くなろう」と決めるのでしょうか。
そのきっかけになるのが、熟しはじめたトマトが自分で出す「エチレン」という成分です。エチレンには、果物や野菜の成熟を進める働きがあります。トマトはこのエチレンを出すことで、自分自身の色づきのスイッチを入れているんですね。
リンゴのそばに置いた果物が早く熟す、という話を聞いたことはありませんか。あれも、リンゴが出すエチレンのしわざです。
暑すぎても、寒すぎても、きれいな赤にならない
トマトの赤い色は、温度にとても敏感です。
赤い色素のリコピンは、気温が低すぎたり高すぎたりすると、つくられにくくなることが知られています。真夏の暑い時期には、赤くなりきらず、オレンジっぽい色や、ヘタのまわりが黄色っぽいトマトになることもあるほどです。
だからこそ、ハウスの温度をちょうどいい状態に保つことは、トマトづくりの大切な仕事のひとつ。きれいな赤に色づくかどうかは、毎日の温度管理にかかっています。
ハウスでは今、色づきの真っ最中
9月に植えたトリコも、今まさに緑から赤へと色を変えているところです。
寒い季節のトマトは、ゆっくり時間をかけて熟していきます。毎朝ハウスに入るたびに、昨日より少し赤みが増した実を見つけるのが、この時期のささやかな楽しみです。
まとめ:赤い色は、トマトが熟したしるし
緑の色素が抜けて、赤い色素が増えていく。そのスイッチを入れるのは、トマト自身が出すエチレン。そして、きれいな赤になるには、ちょうどいい温度が欠かせません。
真っ赤なトマトを手に取ったときは、緑の実だったころからの変化を、ちょっと思い浮かべてみてください。
今シーズン最初に収穫する「初採れ」トリコのご予約については、あらためてお知らせします。


